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南総里見八犬伝〜​
馬琴とその時代展、開催中

「南総里見八犬伝」を記した江戸時代の戯作者、曲亭馬琴と同時代を生きた人々の作品を展示する「南総里見八犬伝~曲亭馬琴とその時代」が鋸南町の菱川師宣記念館で開かれています。馬琴の盟友である葛飾北斎や山東京伝、喜多川歌麿や東洲斎写楽らの作品が展示されており、来館者を魅了しています。9月15日まで。

 

館内に入り、まず目を引いたのが北斎の作品。「三美人図」という3人の女性が古典を紐解き、あれこれ講釈している美人図です。次に、馬琴の「新編水滸画伝」に描かれた劇画風の挿絵で、これも北斎の作品。「北斎というと、富嶽三十六景のイメージが強いかもしれませんが、いろいろなタッチの絵を描いていたことがわかります」と学芸員の笹生浩樹さんは話します。

 

馬琴と北斎はタッグを組むことが多かったが、「北斎の絵にいちいち注文をつけてきて、2人は衝突してしまったこともあるようです」と笹生さんは解説します。

 

馬琴と北斎が出会うきっかけを作ったのは、NHKの大河「べらぼう」で知られる「蔦屋重三郎」でした。馬琴は戯作者である山東京伝に弟子入りしたいと申し出るが断られ、重三郎が手がける版元(今でいう出版社)を紹介されます。そこで働いていたところ、北斎と知り合うことになるのです。

 

重三郎は、喜多川歌麿や写楽などの浮世絵もプロデュースしたことでも知られ、この展示会では、歌麿の美人画に加え、写楽直筆の「浮世絵の下絵」を見ることもできます。

 

馬琴は南総里見八犬伝の執筆に28年という時間を注ぎ込みました。最後の3年間は目が見えなくなり、息子の嫁に口述筆記してもらったといいます。「それだけの執念で完成させたのが、南総里見八犬伝なんです。また、馬琴は武士出身ということもあり、善は善、悪は悪と考えていた。そんな馬琴の考え方にも触れてもらえれば」と笹生さんは話しています。

 

さらに、小説家、山田風太郎が1982年から83年にかけて朝日新聞で連載していた「八犬伝」の挿絵として掲載されていた、宮田雅之の刀勢画が一挙、公開されており圧巻。

 

「南総里見八犬伝」をさまざまな角度から見ることのできる内容なので、ぜひ訪れてみてください。

 

開館時間

9時00分から17時00分まで(入館は16時30分まで)

 

休館日

月曜日(祝日の場合は翌火曜日)

年末年始(12月29日から1月3日まで)

 

入館料

一般・大学生 500円(400円)

小・中・高校生 400円(300円)

※( )内は団体20名以上の料金

アクセス

電車:JR内房線保田駅 または安房勝山駅下車 徒歩15分

車 :高速富津館山道路 鋸南保田ICより5分 国道127号沿い 道の駅きょなん内

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